【新唐人日本2010年12月24日付ニュース】山東省徳州楽陵市のある3歳の女の子は、かつて母親に捨てられ、今は26歳の寝たきりの父親と寄り添うように暮らしています。父親がずっと病で伏せているので、少女は、父親の洗顔の水を運んだり、麺をゆでたりするなど介護に奮闘する毎日です。この少女の境遇がメディアに報道されると、広い関心を呼びました。援助の手を差し伸べたいという声もネットで上がり始めました。
“山東商報”の報道によると、2007年2月、董心怡ちゃんは山東省楽陵市のある農村家庭に誕生。しかし一家3人の幸せな生活が、突然父親の遭った交通事故で壊されます。足の切断を余儀なくされたのです。母親は、その後、心怡ちゃんを連れて家を出たものの、先日、突然娘を父親の元に預けると、姿を消しました。
交通事故の後、治療のために一家は7万元余りを工面。家にはもう、値打ちのあるものがなくなり、数万元の借金だけが残されました。
治療費の返済のため、心怡ちゃんの50歳の祖父は、妻を連れて出稼ぎに出ることをやむなく決意。こうして父親の世話は、87歳になる心怡ちゃんの曾祖母とわずか3歳の心怡ちゃんの肩にのしかかることになります。
身長1メートル足らず、言葉もまだはっきりしない心怡ちゃんは、同年齢の子と同じく活発で愛らしい少女です。しかし父親のベッドの傍らに来ると、聞き分けの良い子になります。父親の言いつけどおりに、慣れた手つきで便器を持ってきて、父親の出した小水を受けてから、きびきびとした動きで、屋外のトイレに捨てに行きます。
報道によると、寝たきりの父親のため、心怡ちゃんは父親の介護にいそしむ毎日です。洗顔する水を運んだり、排便の処理をしたり、ひいては麺をゆでることすら出来るようになりました。
これに対し父親は、娘こそが自分の生きがいそのものだともらします。交通事故の後、生きる意欲を失っていたものの、今は、娘のために、勇敢に生きていきたいと思っているそうです。
ただ、娘には申し訳ない気持ちが募ります。“他の家の子はみな、かわいがられているのに、自分はこの子を父親として守ってやれていない。3歳といえば、どの子も両親の胸で甘える年齢、でもこの子は・・・。聞き分けがいいほど、逆に私の胸が痛みます。子供が食事を運んでくるたびに、私の心はいつも引き裂かれるのです”
この話は、ネットで広く感動を呼びました。“貧しい家の子が早くして家の大黒柱となっている。なんてたくましい子なのだろう”。そこで“堅強妞(たくましい少女)”との愛称がつきました。
このほか中国のネットフォーラムには、親子の写真が掲載され、やはり熱い論議を呼んでいます。“なんてかわいそうな子なのだろう。幸せな子供時代、それはこの子にとってはもう神話となった。みんなで彼らを助けよう”